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どうも、こんにちは!

今回ご紹介する名盤は、1987年にアメリカのハード・ロック・バンド
ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)がリリースした1stアルバム
『Appetite For Destruction』です。

十字架にドクロが並んだこのジャケットは、洋楽ロック好きなら知らない者はいないでしょう。

本作が発売された1980年代と言えば、まさに
ハード・ロックの全盛期

ボン・ジョビやAC/DC、デフ・レパードなどの数多くのバンドが驚異的なセールスを叩き出し、
年代後半には金髪ロン毛スタイルの「ヘアメタル」なるブームも起こるなど、まさに世界中がロックに熱狂した時代でした。

そんな激しい競争の中で衝撃のデビューを飾ったのがこのガンズ・アンド・ローゼズ 。

デビュー当初はバンドのあまりの素行の悪さから "ミュージック・ビデオの放映拒否" を通告されるなど、かなり厳しいハンデを負ってのスタートでした。

しかし、上層部の説得によってひとたびシングル曲がテレビで流れると、瞬く間に大ヒット

一気に80年代ハード・ロックを代表する作品となった、まさにロック好きの全人類が聴くべき至高の名盤でございます!

というわけで以下、アーティスト概要&収録曲紹介です。


目次



【アーティスト概要】
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ガンズ・アンド・ローゼズ (Guns N' Roses)
アメリカのロサンゼルス出身のハード・ロック・バンド。「LAメタル」というジャンルを代表するバンドであり、その攻撃的なロック・サウンドとハイレベルな演奏で一世を風靡した。1980年代に最も売れたロック・バンドの1つであり、アルバムセールスは全世界で1億枚を超えている。

メンバー
アクセル・ローズ...ボーカル担当。写真真ん中。
スラッシュ...ギター担当。写真一番右。
イジー・ストラドリン...ギター担当。写真一番左。
ダフ・マッケイガン...ベース担当。写真右2。
スティーブン・アドラー...ドラム担当。写真左2。



【収録曲紹介】

1. Welcome To The Jungle




アルバムのオープニングを飾るのは、ガンズの名を全米に轟かせた衝撃の大ヒット・シングル。

個人的にハード・ロックでこの曲以上に凄い曲なんてこの世に無いんじゃないかなと思います(異論は受け付けます)。

イントロからギターソロ、アウトロに至るまで、演奏に一切の非の打ちどころがなく、筆者が初めて聴いたときは最初から最後までずーっと衝撃が止まりませんでした笑。

まあ、その中でも一番耳に残るフレーズは、何と言ってもサビのアクセルの
"shun n-n-n-n-n-n-n-n knees!"
ですよね。このフレーズを最初に聴いたときはホントに痺れましたね〜。

また、一曲の中で曲調が2転3転していたりと、何気に計算された曲でもあります。

かっこいいフレーズを惜しみなく詰め込んだ欲張りセット的ナンバー。


2. It's So Easy



ベースから始まるイントロがワクワクを掻き立てる、本作第2のオープニング。

アルバムの先行シングルとしてリリースされ、他のシングルとは一味違ったテイストが面白い曲です。

独特な高音ボーカルが魅力のアクセル・ローズですが、この曲は低音ボイスから幕を開けます。高くても低くても唯一無二の声を出せるってのがアクセルの凄いところでしょうね。

そして低音で溜めてからの終盤の高音パート

ここがスラッシュのギターと相まって爽快感がえぐい...。

この曲は悲しいことにデビュー直後の宣伝規制のせいでセールスは振るいませんでしたが、今ではガンズを代表する大人気曲の1つです。


3. Nightrain



キャッチーなギター・フレーズが耳に残る、王道ハードロック・サウンドのナンバー。

タイトルの元ネタは
「ナイト・トレイン・エクスプレス」
というカリフォルニア産のワイン。

安価ですが非常に強いお酒らしく、初期のバンドはこのお酒を愛飲していたそうです。


臨場感溢れる演奏が魅力の曲ですが、この曲のハイライトはやはり中盤のギターソロですね。

本作の収録曲にはほぼ全曲ギターソロがありますが、この曲のソロは他の曲と比べてメロディアスな演奏なのが特徴です。

後述の『Sweet Child O' Mine』には及ばないとしても、個人的にはA面最高のソロと言えると思います。


4. Out Ta Get Me



いい意味でイントロからギターの主張が激しい曲。

開始一秒で心を鷲掴みにする印象的なギターリフもそうですが、まさかのイントロからいきなり小ギターソロが入ってきちゃいます。

ツインギターならではのリフとソロのせめぎ合いが開幕から大胆に表れたナンバーです笑

本作のシングル群は『Welcome To The Jungle』『Paradise City』『Sweet Child O' Mine』など、作り込まれた楽曲構成が特徴の曲が多いですが、この曲みたいなシンプルな演奏で魅せる曲も最高にかっこいいですよね。

でも収録曲の中ではちょーっと影が薄いんだよなぁ...。


5. Mr. Brownstone



先行シングル『It's So Easy』との両A面で発表された曲。エフェクトをごりっごりにかけたカッティング・ギターのイントロが印象的です。

ちょっとイントロの構成が『Welcome To The Jungle』と似ていますね(個人的にギターリフは『Mr. Brownstone』の方が好きかも)。

そして低音メインのボーカルは『It's So Easy』に通ずるものがあります。まさに序盤の曲の良いとこどりをしている曲ですね。

ところで、タイトルの「Mr.ブラウンストーン」って一体誰のことなんでしょうか?
正解はヘロインです。(人じゃない)
ヘロインを指すスラングの「ブラウンストーン」に敬意を払って「Mr.」つけたわけですね。(またはヘロインの売人でミスター?)


6. Paradise City



本作の前半ラストを飾る大ヒット・シングル。

この曲はファンからの人気が非常に高いです。
本っ当に高いです。
どのくらい高いかと言うと、筆者が今まで出会ったガンズファンの大半が一番好きな曲にこの『Paradise City』を挙げていたほどです。
(あくまで筆者の周りの話ですが)

まず、スタジアムの開幕のような爽やかなイントロから、ホイッスルが鳴った瞬間お馴染みのハード・ロック・サウンドにチェンジする瞬間。この訳1分半がマジで神がかってます。

サビのメロディも非常にキャッチーで、思わず歌いたくなるようなアンセム的魅力がありますね(まあ高すぎて歌えんけどさ)

全体を通して非常に緻密に作られた曲で、聴いてる側を飽きさせないことを徹底して楽曲が構成されていますね。

演奏時間が6:45と本作最長ですが、そんな時間なんか忘れてしまうほどの名曲です。


7. My Michelle



アルバムB面のオープニング曲。

かなりシリアスなイントロから始まる曲で、本作の中でも異質な雰囲気を醸し出しています。ガンズってこういう曲も作れるのか!と思わず感心してしまいますね。そりゃ天下とるわ。

楽曲としては全体を通してヘヴィ・メタルのような重苦しいサウンドが印象的ですが、サビや終盤で演奏がスピードアップする瞬間なんかはやはり非常に爽快感がありますね。

あえて言うなら「ガンズらしくなさ」と「ガンズらしさ」が拮抗しているみたいな笑。

個人的には他の名だたるヒット曲に引けをとらない名曲だと思うんですが、なぜかシングル・カットはされていません。

やはりガンズらしくないからでしょうか?

(それともアルバムを聴くまで秘密にしておいてファンを驚かせたかったから...?)


8. Think About You



さて、ここでエネルギッシュなガンズらしい演奏が帰ってきたようです。

ガンズの独特のサウンドはしばしば「ハード・ロックとパンクの融合だ」というように表現されますが、この曲なんかにはまさにパンクの要素が色濃く表れていると思います。

何気に本作で唯一アコースティック・ギターが使われている曲で、各サビでアルペジオが演奏されています。

「...え?こんなハイテンポな曲にアコギなんて使うの?」と思った方々。

これが非常に良いスパイスなんですよ。

聴いてみると分かりますが、この一工夫によって、他の楽曲とはまた違ったフレッシュなサウンドを作り出すことに成功してるんです。

ぶっちゃけ収録曲の中ではマイナーめな曲ではありますが、こういった細かい点に気がつくと他の曲に劣らない魅力的な曲であるのが分かるはずです。


9. Sweet Child O' Mine



出ました、言わずとしれたガンズの代表曲。

ガンズが初めて全米ビルボード1位を獲得した曲であり、その他にもイギリスやアイルランドなど世界各国で大ヒットを記録し、今なお高い人気を誇る曲です。

楽曲としては、他のシングルと比べると攻撃的なサウンドは控えめで、むしろハード・ロックらしからぬ大人びた雰囲気を感じさせるのが特徴です。

しかし、そういった一味違う側面からもカッコよさを見せつけるのが彼ら。

イントロから繰り出される痺れるギターリフや中盤の約1分弱に渡るギターソロは、当時のロック・ファンを一瞬で虜にしました。

そしてその凄さは30年以上経った今でも変わらず、ロックを聴き始めた現代の若者達にも激烈な衝撃を与え続けています。

現在YouTubeやSpotifyなどでの再生回数はいずれも10億回を突破しており、ロックの垣根を超えて全ての音楽ファンに愛される名曲です。


10. You're Crazy



本作随一のハイテンポで繰り出されるナンバー。前曲『Sweet Child O' Mine』の雰囲気とは一転して、モンスター・トラックで爆走するような疾走感が魅力の曲です。

8曲目『Think About You』でもちょっと触れましたが、やはりガンズの音楽性はパンク要素が強いんだなあと感じさせる曲の1つですね。

(本作で一番騒がしい曲だけど頭空っぽで聴けるからある意味箸休めとも言える?笑)

ちなみに、1988年発売のガンズの2ndアルバム『G N' R Lies』にはこの曲の別バージョンが収録されています。

そちらの方はアコースティックで演奏されており、元バージョンとはまた違った魅力があるので、気になった方はそっちも聴いてみてね。


11. Anything Goes



アルバムもだんだんクライマックスに近づいてきましたが、彼らの勢いが衰えることは全くありません。

それを感じさせるのが、まさにこの曲です。

もう何と言っても、開始25秒くらいからのギターリフが死ぬほどかっこいいんですよ。曲の中にあんまり出てこないのが勿体ないくらい。
Official髭男dismの『ホワイトノイズ』のイントロがちょっとこの曲に似ている気がする

また、ギターソロにえげつないエフェクターかけてたり(1:44辺りから)、サウンド面になかなか遊び心がある曲だな〜と思います。

あと、中学時代からこのアルバムを愛聴している筆者ですが、このイントロのおもちゃみたいな音はどこから持ってきたのかは永遠の謎。

マイナーな曲だから調べても情報無いし...。

いや、そもそもこの曲がマイナーなのが納得できないんだけどね!


12. Rocket Queen



アルバムのエンディングを飾る曲で、ミステリアスな演奏が印象的なナンバー。

こちらも『Paradise City』と同じく演奏時間6分オーバーの大作ですね。
(どうやらA面ラストとB面ラストでそれぞれ長尺の曲を最後に持ってきているようです)


この曲のある意味最大のハイライトといえば、2:13からの長い間奏ですね。

ここの間奏ではなんと、ガチで性行為中の女性の喘ぎ声が録音されています。

しかもその声の主はドラムのスティーヴン・アドラーの恋人アドリアナ・スミス。
...が、アクセル・ローズと性行為をしている時の声なんだそうです(もう滅茶苦茶)。

12曲目ともなると並のアルバムならネタ切れして失速してしまいそうなものですが、個人的にこの『Rocket Queen』に関してはシングルの大ヒット曲らをも凌ぐ名曲だと思います。


【まとめ】
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80年代というハード・ロックの黄金期にデビューし、いきなり天下をとってしまったモンスター・バンドの傑作アルバム。

最初から最後まで全ての収録曲がカッコよく、本当に隙がない作品です。

そしてこのアルバムの収録曲をあらかた聴いている人ならもうお分かりだと思いますが、本作にはバラードの類が一才収録されていません
(強いて言うなら『Sweet Child O' Mine』にちょっとバラードの匂いがするくらい)

もう本当に「俺たちはイカしたロック一本で行くぜ!」という挑戦的な姿勢が伺えますよね。

歌詞や素行を見れば完全に「酒!金!女!」な彼らですが、あまりに楽曲のレベルが高いから「このガンズってバンド、本当は頭良いのでは?」とついつい思ってしまいますよね。

...いやまあ本当に頭良いんだろうけどね?笑



↑アルバムの再生リストはこちらから。



アペタイト・フォー・ディストラクション
ガンズ・アンド・ローゼズ
2004-10-21